チャイルド・ファンド・ジャパン

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ネパールの新しい地域で教育支援を始めています

チャイルド・ファンド・ジャパンでは、2022年4月よりネパールの新しい支援地域ダーディン郡で支援活動を開始しています。支援活動は多岐にわたりますが、中心となるのは教育支援。子どもたちが学校に通い続け、質の高い教育を受けることができるように活動しています。

先日、この教育支援の一環として、学校で現状分析のワークショップを行いました。

ワークショップには、学校の先生、保護者などが参加。学校の管理体制、インフラ、安全性などの9項目について、「最低基準を満たしていない、最低基準は満たしている、目標基準まで達していない、目標基準に達している」の4段階で評価しました。結果からは、「現地の民族の言葉を使った授業が行われていない」「保護者や地域の人々の教育活動への参加が不十分」などの課題が浮かび上がっています。

参加した保護者からは、「学校に定期的に来て、子どもたちの学習の様子や態度をしっかりと把握し、先生と共有することが大切だと思いました。また、保護者も学校を支えるべきだと思いました。先生だけが学校を変えられる存在というわけではありません。」といった声がありました。

今後は、この調査結果をふまえて、学校をよりよくしていくための学校改善計画を策定していく予定です。

このほかに、モデル学校への視察も行いました。学校の先生をはじめ、地域行政の担当官などが視察に参加。子どもたちの成績、先生の関わり方、学校経営などが優れている学校をモデル校として事前に選定し、視察に行きました。

視察では、まず学校全体の環境や全校集会の様子、各教室や特別教室などを見学し、子どもたちの授業・学校活動への関わり方、先生の関わり方を学びました。参加者とモデル校の先生との意見交換の場も設け、モデル校の先生が自校の教育実践について参加者に説明するとともに、質疑応答も行いました。

研修の最後には、振り返りを行い、視察での学びを参加者で共有しました。参加した校長先生からは「学校長が『学校を変えよう』という強い意志をもてば、学校は変えられるのだと感じました。学校運営委員会や保護者との連携を強化することなどから始めていきたいと思います。」といった感想が聞かれました。

視察を通して、参加者は学校改善のための様々なアイデアをもつことができ、また、地域と連携した学校づくりという考え方に対しての理解も深まりました。視察後に書かれた参加者からの報告書では、各学校に戻って、視察で得た知見をもとに学校を改善する活動をスタートしていることが記載されています。参加した行政官からも、「先生や行政、その他の団体と連携して、学校の改善を促し、この地区にもモデル校をつくりたいと思います」と力強い感想が寄せられています。

チャイルド・ファンド・ジャパンでは、質の高い教育を持続的に子どもたちに届けることができるよう、先生や子どもだけではなく、保護者、行政など、地域全体が連携して教育支援を行うことができるよう活動をしています。今後も研修等を通して、教育の質の改善に取り組んでいく予定です。