チャイルド・ファンド・ジャパン

緊急支援

【パレスチナ・ガザ緊急支援】続く不安定な状況の中で、子どもたちの命と日常を守るために

厳しい人道危機が続くパレスチナ・ガザ地区。2025年10月に停戦が発効したものの、依然、状況は極めて深刻で不安定です。

停戦を受けて、もともとの居住地である北部へ戻ろうとする避難民が多くいますが、攻撃によって破壊された北部地域では、生活をすることが極めて困難です。一方で、停戦後も武力行為が続き、新たに避難を強いられる人々もあとをたちません。これまでに、96%の家族が少なくとも一度は避難を経験し、平均6回も移動しているという報告もあります。多くの人々は壊れたシェルターで暮らし、水や衛生設備、電気へのアクセスが限られています。

一部の地域では店が再開し始めているものの、基本的な生活用品の価格は数倍に高騰し、特に乳幼児用品はほとんど手に入りません。半数以上の家庭では子どもの食料が不足し、18%の家庭で子どもが一日中食事をとれなかったと報告されています。学校の建物の多くが機能せず、約65万人の子どもが学ぶ場所を失っている深刻な状況です。

こうした厳しい環境の中でも、チャイルド・ファンドはパートナー団体と協力し、水・衛生・教育の支援を続けています。

ここ1ヵ月の支援で、給水所の整備により約1万8千人が安全な水を確保できるようになりました。家族用トイレの設置や衛生キット、生理用品、赤ちゃん用おむつの配布も行い、避難生活を支える環境づくりに力を入れています。

衛生状態が悪化していた避難所では、ごみの収集を行い、1万7千人以上が暮らす地域の環境を改善しました。また、病院には清掃用品を届け、医療現場が少しでも安全に保たれるよう支援を継続しています。

途切れてしまった学びを取り戻すためには、子どもたちが安心できる場所が欠かせません。心のケアや補習授業を行う活動には、この1ヶ月で1万1千人以上の子どもが参加しました。不安の続く日々の中で、短い時間でも「安心できる場所」が子どもたちの心を支える大切な時間になっています。

現地では200人以上のスタッフやボランティアが活動を支えており、停戦にともなって、これまで立ち入りが難しかった北部地域の調査も始めました。特に弱い立場にある人々へ支援を届けるための準備が進んでいます。

状況は依然として厳しく、支援物資が十分に届けられていません。そうした中でも私たちは、子どもたちの命と未来を守るため、水・衛生・教育の分野を中心に支援を続けていきます。

どうか、引き続き温かいご支援をお願いいたします。