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【スリランカ豪雨 緊急子ども支援】孤立した子どもたちを助けるために

2025年11月末にスリランカを襲ったサイクロン「ディトワ」。国内全土にわたって広範囲に豪雨と暴風をもたらし、近年で最も壊滅的な洪水被害となりました。死者400人、行方不明者は350人以上。また、国内全体で110万人以上が深刻な影響を受け、避難生活を強いられています。

猛烈な豪雨は、貯水池の決壊、洪水、地滑りを引き起こし、地域を水没させ、地域社会は数日間にわたって孤立状態となりました。救助隊は、孤立した家族を助けるためにボートやヘリコプターに頼らざるを得ません。

被災した人々は、食糧や安全な水の不足、住居の損壊、生計手段の損失など、深刻な問題に直面しています。また、子どもたちは、学ぶ場を失った上、恐怖やトラウマも抱えています。

もともとスリランカは、2022年に国がデフォルト(債務不履行)に陥り、深刻な経済危機に見舞われていました。現在は徐々に経済が回復しているものの、いまだ経済危機前の約2倍の貧困率となっています。今回のサイクロン被害は、この状況をさらに悪化させるものとなってしまいました。

チャイルド・ファンドは、この深刻な事態に対し、すでに緊急支援を開始し、非常食の支給、子どもの教育支援をはじめとした、災害時における初期支援を行っています。今後は、最も大きな被害を受けたバッティカロア県、トリンコマリー県、プッタラム県、ヌワラエリヤ県、ムライティブ県で、現地調査に基づき、6か月間の子ども中心の緊急支援を行います。

支援に向かう救助隊

主な支援活動と支援対象は、次の通りです。

  • 食糧の配布や栄養改善(1200世帯)
  • 安全な水の配布、衛生キット配布、水道の復旧支援(10,000人)
  • 失った学用品の補完、学習スペースの設置(20,000人の子どもたち)
  • 衣類、寝具、女の子の月経衛生管理セットなどの提供(12,000人の子どもたち)
  • 子どもの心のケアの支援(10,000人の子どもたち)
  • 農業・漁業など生活手段の再建と地域コミュニティの復興(400世帯)
子どもの心のケアの活動の様子

どうか皆さま、被災した子どもたちとその家族を支えるために、ご協力をお願いいたします。

【スリランカのチャイルドを見守っている皆さまへ】

現地では、支援を受けているチャイルドや家族の状況の確認を進めています。多くの子どもたちの安否が確認されていますが、一部の子どもたちは洪水の影響を直接的に受け、一時避難所などで避難生活を続けています。

引き続き、チャイルドの状況の確認を進めてまいります。続報があり次第、随時お知らせいたします。