【ウクライナ緊急支援】4年続く戦禍の中、子どもたちの心と学びを支え続ける

2022年2月に始まったウクライナの人道危機。ついに4年が経過しました。現在もなお、約1,270万人という膨大な数の人々が人道支援を必要としており、その中には、物心ついた時からずっと戦争のある日常しか知らない子どもたちが大勢含まれています。紛争が長期化するにつれ、子どもたちが直面する課題は、命の危険という緊急事態から、心の発達や教育の空白といった、より根深く深刻なものへと変化しています。私たちチャイルド・ファンドは、現地パートナー団体とともに、この4年間、現地の状況に合わせて支援の形を変えながら、子どもたちの未来をつなぎとめる活動を粘り強く続けています。
現在、私たちが最も力を入れている活動の一つが、子どもたちの心のケア(MHPSS- Mental Health and Psychosocial Support)です。長引く避難生活や爆撃の恐怖、そして家族との別れは、子どもたちの心に深い影を落としています。9歳のイリアくんは、ハルキウ州の自宅が砲撃で破壊された後、避難先で声すら出せないほどの恐怖の中にいました 。彼は自分の心の中に、愛するすべてを飲み込んでしまう「暗い形」があることを、絵を描くことで表現してくれました。
私たちは、カウンセリングやアートセラピーを通じ、子どもたちが恐れや悲しみを少しずつ言葉にできる環境を整えています。遊びや創作活動、そして周囲の大人たちによる一貫したケア。こうした「心の安全地帯」をつくることで、子どもたちが自分自身の感情と向き合い、癒やしへの一歩を踏み出すサポートを行っています。

もう一つ重要な柱となっているのが、学びの継続を支える教育支援です。これまでに2,800校以上の学校が被害を受け、470万人を超える子どもたちが安定した教育を受けられない状況にあります。オンライン授業が続く中で、友達と会えない孤独感や学習意欲の低下、そして深刻な学習の遅れが懸念されています。
私たちは、3,000人以上の子どもたちを対象に、基礎的な科目の知識を補うための補習クラスや、デジタルツールを活用した学習支援を行いました。また、教室で子どもたちに接する先生方もまた、大きなストレスを抱える当事者です。そのため、トラウマを抱えた子どもたちへの接し方や、先生自身のメンタルケアに関する研修も実施し、教育の現場そのものを支える取り組みを続けています。
さらに、最前線に近い地域やインフラが破壊された場所へ直接足を運ぶ、アウトリーチ活動も継続しています。12歳のナタリアちゃんは、父親が前線で戦っており、一年に一度会えるかどうかの不安な日々を送っています。彼女が通う支援センターは、同じ境遇の子どもたちと交流し、専門家に悩みを打ち明けられる貴重な場所です。私たちは、こうした「チャイルド・フレンドリー・スペース(子どもにやさしい空間)」の運営に加え、移動式のモバイルチームを派遣し、物理的に孤立した地域の家庭にも、衛生用品や食料バウチャー、そして心のケアを届けています。水や暖房、衛生設備を整え、安心して暮らせる環境を整えることは、子どもたちの健康だけでなく、尊厳を守るために欠かせない土台となります。
この4年間で、支援のフェーズは緊急対応から、長期的な回復力を育む段階へと移りました。戦争が子どもたちの成長を止めることはあっても、私たちが支援を止めるわけにはいきません。かつて当たり前だった「学校に通い、友達と遊び、安心して眠る」という日常を、一つずつ取り戻していくために、私たちはこれからも、子どもたちへ支援を届けていきます。皆さま、ウクライナの子どもたちを支えるため、どうか引き続きご支援をよろしくお願いいたします。


