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ネパールで、学校と家庭における子どもを支える環境づくりに取り組みました

子どもたちが安心して学び、成長できる環境を整えるために、チャイルド・ファンド・ジャパンは地域の先生や保護者、行政と協力しながら、様々な取り組みを進めています。今回は、インクルーシブ教育の研修、家計を支える生計向上支援、そして家庭と学校をつなぐ活動をご紹介します。 

学校現場で、男女平等やインクルーシブを推進するため、「ジェンダー平等と社会的包摂(GESI=Gender Equity and Social Inclusion)」に関する2日間の研修とワークショップを開催しました。11人の教員が参加し、性別や障がいの有無にかかわらず、すべての子どもが学びやすい学校づくりについて学びました。研修を終えた教員たちは、地域や学校運営委員会と連携しながら、3か月以内に学校独自のGESI方針を策定する予定です。この方針は学校改善計画にも反映され、子ども一人を尊重する教育環境づくりにつながっていきます。 

また、子どもたちが学校に通い続けることができるよう、家庭の経済的な安定のための支援も行いました。保護者を対象に家畜飼育と小規模自営業の計画づくりの研修を実施。研修を終えた家庭では、ヤギの飼育に向けて草を植えたり、飼育小屋を建てたりと準備が進んでいます。現地スタッフは研修後も各家庭を訪問して、進捗を確認。前年にヤギを受け取った家庭も訪問し、飼育状況をモニタリングしました。こうしたフォローアップを通じて、支援が着実に家庭の自立へとつながるよう伴走しています。 

さらに、学校と保護者の関係を深めるための取り組みとして、5つの学校で保護者向けの課外活動プログラムを実施しました。 

ネパールでは、親の教育に対する意識が必ずしも高くなく、特に女の子に対しては、教育よりも家事が優先される傾向にあります。保護者の意識を変えることが、子どもの教育に非常に重要となっています。これまでにも、保護者と学校の定期的な会合を行い、子どもたちの様子や学習状況を共有することで、通学率や成績の向上を達成してきました。 

今回のプログラムでは、子どもの学びを支える保護者の役割についてのオリエンテーションや、親子で楽しめるゲーム形式の交流を通じて、学校と家庭のつながりを強化しました。172人の保護者が参加し、参加者からは「とても有意義で、子どもの教育に果たす役割をしっかりと理解できた」という声が寄せられ、今後も同様のプログラムを実施してほしいという声もあがりました。 

学校の教育の質を高める研修、家庭の生計向上、そして学校と保護者の協力強化という三つの取り組みを通して、子どもたちが健やかに成長できる「学びの環境」を整えていっています。これからも、子どもたちを中心に、地域全体で支え合う社会づくりを進めていきます。