チャイルド・ファンド・ジャパン

緊急支援

熊本地震への緊急支援

避難所でも聞き取り調査を行いました。

避難所でも聞き取り調査を行いました。


4月14日21時26分、熊本地方を震源とするマグニチュード6.5、最大震度7の地震が起こり、さらにその後も16日の本震を含め、大きな地震が継続して発生しました。熊本地震への緊急支援としてチャイルド・ファンド・ジャパンがこれまでに行ってきた活動をご報告します。また、2ページの活動報告書がこちらからダウンロードできます

1.「被災地の親と子どものこころのケア」のウェブサイトとポケットブックの制作、配布

4月14日以降に発生した熊本地震を受け、チャイルド・ファンド・ジャパンは被害状況と支援のニーズの調査のため21日から27日まで2名のスタッフを熊本に派遣しました。地震の被害を受けた保護者の方や、保育園の先生、教育関係者からの聞き取りを通じて、子どものこころのケアが重要な課題になってくると考えられました。また、地震の影響を受けながら子育てをしている保護者の方を支える取り組みも必要になってくると考えられました。

「子どものこころのケア」は、東日本大震災への緊急・復興支援事業においてもチャイルド・ファンド・ジャパンが行っていた取り組みの一つです。その際は「被災地の子どものこころのケアの手引き」として発行しましたが、今回は、スマートフォンで閲覧することを想定したウェブサイトを制作しました。幼い子どもの保護者の方が最も情報を得ているデバイスであることだけでなく、制作から公開までのスピードや、共有の簡易性も考慮されました。

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児童臨床心理を専門とするルーテル学院大学の加藤純先生が執筆し、5月19日に「被災地の親と子どものこころのケア Q&A」のウェブサイトを公開しました。また、ウェブサイトに続いて、いつでも手元に置いておけて、読みたい時にすぐ読めるポケットブックを制作しました。A6版、16ページの手に取りやすい仕様で、内容はウェブサイトをベースに、時間の経過に合わせて情報を更新しています。PDFファイルをこちらからダウンロードすることもできます

このポケットブックは、熊本市保育園連盟および熊本県保育協会のご協力をいただき、7月中旬に熊本県内の441の保育園の約40,000名の保護者の方に配布しました。さらに8月末には、熊本県、熊本市からもご協力いただき、県内の223の幼稚園と認定子ども園、約23,000名の保護者の方に配布しました。 

2.「熊本いのちの電話」のフリーダイヤル通話料金の支援

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「日本いのちの電話連盟」は全国各地にある「いのちの電話」の全国組織で、自殺予防のために活動している組織です。こころの悩みを持つ方が各地域のいのちの電話に電話をかけて、講習を受けた相談員の方が、電話を受けます。相談員の方はボランティアで活動に参加しており、電話代はかかりますが、相談費は無料です。「熊本いのちの電話」は、震災前は1日40-50件の相談がありましたが、100名の相談員のうち80名の方が被災し、相談員の方の安全と生活再建に専念するため、約1ヵ月活動を中止していました。

5月末から活動が再開されましたが、地震で被災した熊本の方々が、これまでに経験したことのないような状況の中で様々な問題に直面し、電話による相談が増えることが予想されました。そのため、被災した方々が料金を負担することなく相談できるよう、熊本いのちの電話はフリーダイヤルを設置しました。

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7月1日より相談電話の受付を開始し、チャイルド・ファンド・ジャパンは、フリーダイヤルにかかる通話料金などを支援しています。6月13日、熊本いのちの電話の理事長、福田稠さん(写真左前)とチャイルド・ファンド・ジャパンの事務局長、和山正秀との間で調印書を取り交わしました(詳しくはこちらから)。また、その後記者会見を行い、いくつかのメディアで取りあげられました。

7月は、累計213名の方から合計114時間34分の受信実績が報告されています。特に40代、50代の方からの相談が多く、主訴は「職場が崩れて仕事を失い、ショックが大きすぎて立ち直れない」など、「人生」に関わる相談が多い傾向がみられました。また、「誰かに話したい、相談したいと思った時にかけられる電話があると心強い」という相談者の声があったと、相談員の方から報告がありました。