特定非営利活動法人チャイルド・ファンド・ジャパン(東京都杉並区、事務局長:武田勝彦)と、追手門学院大学(大阪府茨木市、学長:真銅 正宏)心理学部の櫻井鼓教授は、全国の16〜24歳の男女2,060名を対象に、「性的ディープフェイクについての若者オンラインアンケート調査」を2026年5月に実施しました。調査では、45.4%が「性的ディープフェイク」という言葉を知っていると回答し、3.7%が自身の性的ディープフェイクを作成された経験があると回答しました。また、オンライン上で知り合った人物から性的画像の共有を求められた若者の70.5%が誰にも相談していないことも明らかになりました。これらの結果は、若者がオンライン上の性被害に直面した際に相談できない構造が存在していること、そして学校教育・社会教育・家庭での安全教育や相談体制の強化が急務であることを示しています。
生成AIの急速な普及により、本人の同意なく実在する人物の性的な画像や動画を作成・共有する「性的ディープフェイク」のリスクが高まっています。画像が一度オンライン上に拡散されると、被害者は名誉やプライバシーを傷つけられるだけでなく、心理的負担や人間関係への影響を長期にわたって受ける可能性があります。一方で、学校現場などでは、子ども・若者が自分と相手の権利や境界線、性的同意などについて学ぶ「生命(いのち)の安全教育」が徐々に実施されてきています。
本調査は、こうした背景を踏まえ、若者が性的ディープフェイクをどの程度認知し、どのような被害・リスクに直面しているのかに加え、生命の安全教育の実施実態を把握し、政策提言につなげることを目的に実施しました。
調査概要
実施期間:2026年5月11日(月)~13日(水)
調査対象:全国の16~24歳の男女
回答数:2,060名(うち未成年474名)
実施方法:オンライン調査
調査委託:株式会社マクロミル
実施体制:チャイルド・ファンド・ジャパンと追手門学院大学の共同研究
なお、あわせて参考文献調査を行い、「学校安全の推進に関する計画に係る取組状況調査〔令和5年度実績〕(文部科学省2024年3月)」を分析した結果、性的暴力防止教育の実施率は45.3%で、交通安全(96.2%)、災害安全(95.6%)と比較して低かった。現状として若者に対する性的暴力教育の不足がある。
問:オンライン上で知り合った人物から、あなた自身の性的写真や動画の共有を求められた際に、誰かに相談しましたか

問:相談しなかった理由として、当てはまるものを選んでください

オンライン上で性的画像の共有を求められた若者のうち、70.5%が誰にも相談していないことが分かった。特に女性の相談しない割合が高く、若者が被害を受けても声を上げられない状況が続いている。
相談しなかった理由は、「大ごとにしたくなかった」(33.3%)が最も多く、「その他」(31.9%)、「時間が経てば解決すると思った」(25.5%)、「心理的ハードルがあった」(24.1%)が続き、被害やリスクに直面しても、若者が自分だけで抱え込みやすい状況がうかがえます。この結果は、匿名性やプライバシーに配慮した相談窓口の整備、若者が「相談してよい」と感じられる環境づくりの必要性を示唆しています。
本調査を踏まえ、調査チームは、性的ディープフェイクを含むオンライン上の性被害を防ぐため、下記を提言します。
チャイルド・ファンド・ジャパンは、子どもの権利を守る国際協力NGOとして、今後も調査研究、啓発、政策提言を通じて、子ども・若者が安心して学び、相談し、支援につながることのできる社会づくりに取り組んでまいります。
各質問の回答結果、分析、提言、調査票などは、こちらからご覧いただけます。
調査結果を引用・転載される際は、「特定非営利活動法人チャイルド・ファンド・ジャパン調べ」と、クレジットの記載をお願いいたします。