【スリランカ豪雨緊急子ども支援】サイクロン被害から復興へ
2025年11月にスリランカを襲った大型サイクロン「ディトワ」は、国内の広い地域に洪水や土砂崩れなどの甚大な被害をもたらしました。多くの家屋が浸水しただけでなく、子どもたちが通う学校も校舎の破損や設備の流出といった大きな打撃を受け、一時は避難所として使われるなど、教育の場としての機能が失われてしまう事態となりました。
子どもたちにとって、学校は学びの場であると同時に、友だちと遊び、安心して過ごす大切な居場所です。チャイルド・ファンドは、被災した子どもたちが一日も早く安全な環境で学習を再開できるよう、プッタラム県とヌワラエリヤ県の計10校の公立学校を対象に、学校再建と教育の回復を目指した支援活動を展開しました。
支援活動全体の直接の対象となった児童・生徒は、男子1,511名、女子1,676名の計3,187名にのぼります。今回の支援では、校舎や設備の修復にとどまらず、子どもたちの精神的なケアや将来の災害に対する備えまでを含めた、包括的な取り組みを行いました。

教育設備の修復として、壊れてしまった校舎や衛生施設、そして図書室や理科実験室といった学びの場の復旧と整備を行いました。サイクロンによる泥水や土砂で汚れた校舎の清掃から始め、傷んだ屋根、扉、窓、配管や給水設備、トイレの修復を進めました。
単に元の状態に戻すだけでなく、子どもたちが意欲を持って楽しく学べる環境づくりも意識しました。図書室には各年齢に応じた本を新たに配置し、理科実験室には実験器具や備品を補充しました。屋外のスポーツ練習施設も綺麗に再建され、新しくなった施設は、地域全体のスポーツ活動や交流を支える貴重な場となっています。
また、子どもたちのこころのケアや、教員への研修も行いました。災害を経験した子どもたちは、家や身近な環境の変化、生活の苦しさから大きな心理的ストレスを抱えており、集中力の低下や不登校といった影響が見られました。そこで地域の教育機関などと連携し、支援対象地域の教員99名を対象に、社会性と情動の学習、心理社会的支援に関する研修を実施しました。子どもたちの不安を和らげ、前向きに学校生活を送ることができるようにサポートする体制が整いました。

さらに、地域社会とともに行う防災プログラムと学校安全計画の策定を行いました。将来また大きな災害が起きても子どもたちの命を守れるよう、生徒、保護者、教員、地域住民、行政機関が一体となって活動に参加しました。学校周辺の危険な場所や避難ルートを実地で確認するリスクマッピングを行い、それをもとに学校ごとの避難手順や緊急連絡網をまとめた学校安全計画を作成しました。さらに、実際に避難訓練を実施することで、災害時にどう動くべきかを身体で覚える機会を設けました。これらの防災計画や維持管理の仕組みは、各学校の長期的な計画にもしっかりと組み込まれており、地域の人々の手によって持続的に学校の安全が守られていく土台となっています。
チャイルド・ファンドは、これからも災害時の子どもたちと家族を守るとともに、地域の人々と手を取り合いながら地域防災にも力を入れ、子どもたちが安全な環境で健やかに成長できるよう活動を続けていきます。


