自分の可能性を信じ、エンジニアの夢に挑むポールのストーリー
子どもたちが置かれた環境は、学びや将来の選択肢に大きな影響を与えることがあります。それでも、必要な支えと学ぶ機会があれば、自分の可能性に気づき、未来へ踏み出す力を育むことができます。フィリピンに住むポールも、チャイルド・ファンド・ジャパンの支援を通じて少しずつ自信を深め、今ではエンジニアという夢に向かって歩みを進めています。
支援が始まる前、ポールの家庭は経済的にとても厳しい状況にあり、日々の生活を送るだけでも精一杯の日々が続いていました。学校で使う基本的な学用品を揃えることすら難しく、学習を続けるうえでの大きな壁となっていたのです。しかし、5年前にチャイルド・ファンド・ジャパンによる支援が始まってから、状況は大きく変わり始めました。学校で必要な物が手に入るようになったことで家庭の経済的な負担が和らぎ、何よりもポール自身が学び、成長するための機会を得ることができました。

この支援を通して得た変化は、単に学校の成績が上がったことだけではありません。毎日の学びや様々な経験を通じて、ポールは自信やコミュニケーション能力、そして責任感を身につけていきました。成長したポールは今、学校や地元のLGBTQコミュニティでリーダーとしての役割を担い、自分だけではなく、他の人のために声を上げることに尽力しています。

ポールにとって特に心に残っている経験があります。それは、支援を受ける子どもたちの代表がフィリピン各地から集まる「子ども議会」へ参加したことです。初めて会う子どもたちを前に、最初は緊張を感じていましたが、参加者同士で意見を交わす中で、多くを吸収していきました。子どもの権利や教育の大切さ、リーダーシップのあり方について深く学ぶとともに、多様な背景を持つ子どもたちと関わることで、自身の視野を大きく広げる貴重な機会ともなりました。
日々の生活において、ポールは家の中の片づけや洗い物などの家事を積極的にこなしています。特に学校の課題が多く出される時期には、学業と家事を両立させることは決して容易ではありません。それでも、数学の難しい問題などに直面した際には、自ら学校の先生のもとへ相談に行き、アドバイスを仰ぎながら解決に努めています。こうした日々の習慣は、学業のためだけではなく、夢の実現に向けた第一歩だとポールは感じています。

ポールの将来の夢は、人々の暮らしを支えるエンジニアになることです。その道筋が簡単ではなく、多くの努力や勉強が必要であることも十分に知っています。だからこそ、学校の課題や日々の苦労も、すべて夢へ近づくためのものとして前向きに捉えています。
最初は学用品を用意することにすら苦労していたポールですが、支援によって教育を継続することだけではなく、自身の可能性に気づき、今では周囲を引っ張る若きリーダーとして歩みを進めています。将来の夢に向かって一歩一歩着実に歩むポールの道のりは、これからも続いていきます。


