Relay Interview リレー対談 国際協力の基本は受益者を支え、エンパワーすること。しかし、遠く離れた、社会経済環境も違う世界での支えは。日本の人々にはなかなか実感がわかない。身近なスポーツの世界から「支える」姿を伝えて啓発できるかもしれない。スポーツ対談を通して、当団体も生かし生かされる国際協力も見つめ直せるかもしれない。スポーツをするプレイヤーを支える人々に商店を当てた対談により、支えることの大切さとスポーツの力・価値を浮き彫りにする。

第1回 内田 恭子さん

GEST

GUEST

フリーアナウンサー・タレント

内田 恭子さん

1976年生まれ。1999年慶應義塾大学商学部卒業。2006年フジテレビを退社後、フリーアナウンサー・タレントとして活躍。
明るく親しみやすいキャラクターで幅広い世代に支持されている。
私生活では二児の母でもあり、そのライフスタイルは多くの同性の共感をよんでいる。

GEST

INTERVIEWER

チャイルド・ファンド・ジャパン事務局長

武田 勝彦

中学時代のベトナム難民との出会いが転機となり、国際支援の道を目指す。金融機関での勤務経験や英国大学院留学を経て、いくつかの国際NGOにて、世界各地での開発支援事業や緊急復興支援事業の運営管理、事業部長や事務局長を歴任。2017年4月より現職。

今回は、チャイルド・ファンドがスポーツ(タグラグビー)の力で社会課題の解決を目指すプログラム「チャイルド・ファンド パス・イット・バック」のサポーターである内田恭子様をお迎えしての対談です。アナウンサーとして、小学生の保護者として、どのようにスポーツと関わっていらっしゃるか、お話しいただきましょう。

アナウンサーとしてスポーツのもつ力を伝える

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武田)内田恭子さんというとスポーツに関するイメージがありますが、ご自身は何かスポーツをされていましたか。

内田)アメリカにいたころ、バスケットボールをしていました。シーズンスポーツなので、オフシーズンはバトミントンや陸上競技もしていました。

武田)スポーツを扱うアナウンサーとしてご活躍されていましたが、フジテレビ系列総合スポーツ番組「すぽると!」でのご経緯を教えてください。

内田)私自身あまりスポーツに詳しくはなかったのですが、なぜか「すぽると!」を担当することなりました。でも、番組を通してスポーツニュースを伝えたり、直接現場で取材を 重ねるにつれて、スポーツへの見方がガラッと変わりました。スポーツを楽しむようになりましたし、スポーツ選手にリスペクトを感じるようになりました。特に2004年に開催されたアテネオリンピックを取材した際は、選手たちの競技に対する姿勢に心を動かされました。結果じゃなくて、日本代表としてその場にいるだけでリスペクトだと強く思いました。

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武田)ご自身のスポーツ経験がアナウンサーとして役立ったことはありますか。

内田)番組一つ作るのもチームプレーなんです。ディレクターやプロデューサーの方がい て、原稿を書く方、取材に行く方、スタジオにもそれぞれ違う役割を担うメンバーが大勢いて全員で1つのチームになって動いています。各メンバーの準備をもとに、アナウンサーはスタジオで台本を読みあげます。
チームの「最後の色付け」をするのが伝え手であるアナウンサーだと私は思います。なので、番組に携わる人たちが作りあげたものを崩さないように、その想いを伝えるために自分はどうすればよいかを常に考えながらやっていました。

武田)スポーツ選手を取材する際に配慮していたことや大切にしていたことはありますか。

内田)生放送でしたから限られた時間で視聴者の方にわかりやすく伝えるのは本当に大変なことでした。伝える内容はどうしても結果報告が中心となってしまいますが、取材をして いると、結果に至るストーリーや試合に出場するまでのストーリーが個々の選手にあると知ります。
結果がともなわなくても、この選手のここを伝えてあげたいという想いがいつもありました。だからその時に語ることができなかったストーリーについては、また機会がある時に使えるよう「頭の中のメモ帳」に記憶しておくようにしました。それらの選手がようやく取りあげられる時にストーリーを添えることができたことは嬉しかったです。

保護者としてスポーツをする子どもを見守る

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武田)お子さまがスポーツをされているそうですね。

アメフトをしていた夫の影響もあるかもしれませんが、長男が友だちを誘ってラグビースクールに通うようになり、学校でもラグビーを楽しんでいます。

武田)身体接触があるスポーツを敬遠する保護者もいますが。

内田)男の子はケガをするもの、だと思っています(笑)。長男にはスポーツを通して彼のメンタルが鍛えられるといいなと思います。
チームスポーツですし、活動を通して人との関係性を学んで欲しいです。今はただただラグビーを楽しんでいるようなので、私からは特に何も言わず、ゆるく見守っています。

スポーツとライフスキル

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内田)スポーツを通じて人との接し方や関係性も学べると思います。スポーツはコミュニ ケーション力が大切です。敵がどんな事を考えているかを察するのもコミュニケーション。もし絶好のチャンスをチームメイトがミスった時に、「何でだよ」と責めるのではなく「次に活かそうよ!」と相手を思いやることや前向きな考え方もできるようになればチームメイトとのコミュニケーションもスムースに。

武田)チャイルド・ファンドはタグラグビーを通してライフスキルを学ぶ青少年育成事業を行っています。スポーツがライフスキルを高めることに役立つことが証明されているんですね。 特にコミュニケーション能力と問題解決能力は子どもたちが成長していくうえで必要なスキルです。

スポーツには価値がある

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武田)ラグビーには5つの価値があり、そこが我々の支援プロジェクトとつながります。 最後に、内田さんが考える「スポーツの価値」とは何だと思いますか。

内田)スポーツをすると、人との触れ合いがあり、人とのコンタクトもあり、人の気持ちがわかるようになります。そして、結束力を感じられるのも醍醐味ですね。一生の友ができることも。これらは社会に出てから力にも支えになってもくれます。 また、スポーツを観るにしても、試合を通して感情を共有できることは素敵なことだと思います。宗教や民族を問わずに万民が楽しむことができるのがスポーツだと思います。