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紙芝居による防災教育

ネパールで実施している「災害に強い学校づくりプロジェクト」は、子どもたちや学校の教師が防災の知識を身につけるための支援も行っています。今月、学校の教師たちを対象に、紙芝居を利用した防災教育の研修を開催しました。この研修は、以前から紙芝居による防災教育の取り組みを行っている国際NGO「シャンティ国際ボランティア会」との協働で、同会のスタッフであるビノットさんが講師を務めてくださいました。


紙芝居による防災教育を教えてくれた、シャンティ国際ボランティア会のビノットさん

紙芝居は絵で学ぶことができるため子どもたちにも理解しやすく、また、電気の供給が安定しないネパールでも取り入れやすい教材です。2019年4月に教師たちへ行った研修で紙芝居を紹介し、参加者たちから高い関心を集めていました。

今回の研修で使用した紙芝居は、地震や土砂崩れなど、ネパールでよく起こる自然災害をテーマとしたものです。はじめに紙芝居の成り立ちやその背景について、日本文化の説明も交えて紹介したあと、ビノットさんが紙芝居の実演を行いました。その後、紙の持ちかたや引きかた、演出のしかたなど、細かく、丁寧な説明がありました。


参加者たちに丁寧に指導してくれました

次は、参加者たちによる実践です。ビノットさんから教えられたコツを頭に、一人ずつ紙芝居を実演しました。普段から子どもたちと接しているだけに、ストーリーの語りかたは、皆とても上手でした。実演を聞いていたほかの参加者たちが気がついたことやアドバイスをその場で伝え、さらなる改善につなげるなど、有意義な練習となりました。


参加者たちによる紙芝居の実演

研修終了時には、テーマの異なる4つの紙芝居1セットが参加者に贈られました。参加した教師たちは、研修で学んだことを生かし、自校の生徒たちに防災教育を行っていきます。ネパールでは、学校のカリキュラムに防災教育が組み込まれたものの、十分な知識を持つ教師は少なく、どのように実施したらよいのかという困惑の声が聞かれていました。紙芝居が、ネパール語版を製作、配布した「みんなの仙台防災枠組」とともに、子どもたちへ防災を考えるきっかけを提供するツールとなってくれればと願っています。