フィリピン・北ダバオ州の山岳地帯にて「少数民族のための保健医療アクセス改善事業」が完了

チャイルド・ファンド・ジャパンは、外務省「日本NGO連携無償資金協力」支援を受け、2025年3月よりフィリピン南部・北ダバオ州において保健医療へのアクセス改善事業を実施してまいりました。このたび、無事にすべての工程が完了し、2026年3月10日、現地にて「母子出産施設」の竣工式を行いました。当日は関係者や近隣の住民が集まり、地域の8集落の命を支える新たな拠点の完成を、ともに祝いました。
険しい道のりを越え、命を守る拠点をつくる
プロジェクトの対象となったのは、ダバオ市郊外の高速道路から未舗装のデコボコ道を進み、橋のない川を渡り、車で3時間ほどかかる山岳地帯です。美しい自然が広がる一方、病院や保健所がなく、少数民族の人々が医療から取り残された状況にありました。
急な病気やケガの際、住民たちは険しい山道を徒歩やバイクで何時間もかけて病人を運ばなければなりませんでした。特に、出産を控えた母親や生まれてくる赤ちゃんの移動の負担は大きく、搬送中に命を落とすことも少なくありませんでした。

施設建設と緊急搬送体制の整備
こうした課題を解決するため、私たちは人々が安心して医療を受けられる「母子出産施設(Maternal and Child Birthing Home)」を建設しました。施設内には診察室や治療室、そして安全な出産を可能にする分娩室を完備しています。さらに、緊急時に妊産婦を近隣地域の病院へ搬送できるよう、専用の緊急車両も配備しました。

地域に根ざした「保健教育」の実施
また、ハード面の整備に加え、現地のダバオ医科大学と提携したソフト面での人材育成・教育支援にも注力しました。
- 行政・リーダー対象の研修: 施設の持続可能な運営・管理方法を指導
- 母親および高校生などの地域の青少年対象の研修: 栄養・衛生・母子保健・薬草の活用法に加え、性的搾取や虐待の予防や個人情報の安全管理など、生活に直結する幅広い情報を提供
参加者からは、「最初は参加を迷っていたが、受講してみると非常にためになる内容ばかりで、結局全講義を受講しました。ここで学んだことを家族や友人にも伝えていきたいです。」という声もあり、参加者の健康への意識の高まりを感じました。

未来へつなぐ支援
山奥での建設には多くの困難が伴いましたが、完成を心待ちにしながら建設を支えてくださった現地の少数民族の皆さま、提携の医療系大学の皆さま、そして日本国民の皆さまの温かいご支援のおかげで、この日を迎えることができました。今後は、資格を持つ医療従事者が施設に常駐し、出産前後のケアだけでなく、青少年や家族向けの保健教育などを通じて、地域のニーズに寄り添いながら支援を続ける予定です。

チャイルド・ファンド・ジャパンは、2026年度も引き続き外務省の支援を受け、フィリピンの子どもたちの教育環境改善に取り組む予定です。これからもハード・ソフトの両面から、地域の方々と共に、子どもたちの平和を守る環境づくりを目指します。


