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学び合う教室をつくったネパールの教師アリナさんのストーリー

ネパール・ダーディン郡の小学校で働く教師、アリナさん。現在は、子どもたちが楽しく主体的に学ぶ授業ができるようになったアリナさん。しかし、はじめからそのような教育ができていたわけではありませんでした。

アリナさんが教壇に立ち始めたころ、学校には十分な教材がなく、授業は教科書中心。子どもたちは発言をためらい、学ぶことに自信をもてずにいました。教員としての専門的な研修を受ける機会も限られており、「どうすれば子どもたちが楽しんで学べるのか分からない」という不安を抱えながら、試行錯誤の毎日を送っていました。

貧困や保護者の理解不足などの理由で学校を休みがちな子どもも多く、「このままで本当に子どもたちの力になれているのだろうか」――そんな思いが、アリナさんの心にありました。

転機となったのは、チャイルド・ファンド・ジャパンが行った教員研修への参加でした。子ども中心の教え方、統合カリキュラム*、算数教育に関する研修を受ける中で、アリナさん自身が「教える」ことを学び直す機会を得たのです。

*国語や算数などを別々に教えるのではなく、1つのテーマのなかで複数の教科の内容を扱う指導法

「子どもが主体的に参加すること」「楽しさの中に学びがあること」――研修で得た気づきを、アリナさんは少しずつ教室で実践していきました。

毎日の授業計画を立て、説明するだけでなく、子どもたちが活動しながら、体験しながら学ぶ時間を大切にするようになりました。石や木など、身近にある材料を使って、自分で教材をつくることも始めました。

それだけでなく、アリナさんは、子どもたちの家庭を訪ね、保護者との対話を重ねていきました。学校での様子を伝え、学びの大切さを共有することで、少しずつ保護者の関心も高まっていきました。

やがて、教室は「間違えても大丈夫」「参加するのが楽しい」場所に変わっていき、子どもたちは笑顔で登校し、積極的に授業に参加するようになりました。また、子どもたちの文字や数に関する理解も深まっていきました。

「教材と研修のおかげで、子どもたちは楽しそうに学校へ来るようになりました。保護者も学校を訪れ、教材の材料を提供してくれるなど、教育への関心を高め、学校を支えてくれるようになりました」

アリナさんはそう話します。

チャイルド・ファンド・ジャパンは、子どもたちへの直接的な支援だけでなく、教員研修のような、子どもを支える大人の力を育てることも重視しています。現在、アリナさんの学校では、子ども中心の教育が学校全体で大切にされています。保護者もその取り組みを支え、子どもが安心して学べる環境が、地域の中に根づき始めています。