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フィリピン 災害にそなえる力を子どもと地域に

フィリピンは台風や火山の噴火などといった、自然災害が頻繁に発生する国です。特にマニラ首都圏の支援地域は、いわゆるスラム街で住宅が密集しており、火災のリスクも高く、日ごろからの備えが欠かせません。こうした中で、チャイルド・ファンド・ジャパンは子どもたちとその家族が安心して暮らせるよう防災支援にも力を入れています。

先日、マニラ首都圏では、地域の消防局と協力し、火災予防のオリエンテーションを実施しました。参加してくれたのは、支援を受けている子どもたちとその保護者たちです。保護者向けのオリエンテーションでは、消防士の役割や防災の重要性について話されました。消防士は、「火を消す」だけでなく、地震や台風のときの救助活動も担っていることなど、幅広い役割について知ってもらいました。また、電気火災や油火災といった原因別の消化方法や状況に応じた消火器の使い方も学ぶとともに、家庭や地域で使える防災のティップスも学びました。

さらに、実践講習では、消火器が使えない事態も想定し、数名の保護者ボランティアに消防ホースを使った訓練にも挑戦してもらいました。初めての体験に緊張しながらも、真剣に取り組む姿が印象的でした。

子どもたち向けの会では、子どもたちが興味をもって学べるよう参加型のアクティビティで、楽しく防災を学びました。最後には、いざという時に自分の居場所を知らせるホイッスルと緊急連絡先を書いたカードを子どもたち全員に配布しました。

チャイルド・ファンド・ジャパンの防災支援は、こうした研修だけではありません。例えば、南コトバト州では、スタッフが家庭訪問を行うたびに、「Go bag(非常持ち出し袋)」の中身や「家庭用防災計画」がきちんと準備されているかを一緒に確認します。このような働きかけを通じて、各家庭の防災への意識を高め、万が一のときにも落ち着いて行動できるようにサポートしています。これまでも台風被害などの際に、こうした支援が活き、子どもたちと家族が適切に避難所へ避難し、人的被害を抑えてきています。

防災は、日々の暮らしの中での積み重ねが大切。チャイルド・ファンド・ジャパンは、子どもたちとその家族が安心して暮らせるよう、これからも地域に根ざした活動を続けていきます。