チャイルド・ファンド・ジャパン

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ネパール・ナワルパラシ西郡での教育環境整備事業:子どもにやさしいインクルーシブな学校を目指して

チャイルド・ファンド・ジャパンは、日本NGO連携無償資金協力の支援を受け、ネパール南部タライ平原ナワルパラシ西郡において、すべての子どもが安心して学べるインクルーシブな教育環境づくりを目指した事業を実施します。

事業地であるタライ平原地域では、ネパールの中でも、カースト制度や民族・宗教の違いに起因する複雑な社会課題があり、教育の場にも大きな影響を及ぼしています。特に、ダリットやマデシといった民族、イスラム教徒などの社会的に弱い立場にある人々は、差別や偏見により教育へのアクセスが制限されやすく、学校に通い続けることが難しい状況に置かれています。

学校施設の不足と質の課題

支援対象校の現在の教室の状況

ネパールでは、識字率や就学率など、教育の基礎的な面での改善が見られるものの、特に地方の農村部では、老朽化した校舎や不十分なトイレ・衛生設備、教材不足、教員の研修機会の不足などが課題です。こうした課題は、子どもたちの留年やドロップアウトにも影響し、特に、上記の社会的に弱い立場の子どもたちは、他の子どもたちと比べて公教育を受けたことがない割合、義務教育の非修了率が極めて高くなっています。また、耐震性の低い校舎も多く、地震や洪水などの災害時には子どもたちの安全が脅かされる状況にあります。

支援対象校の現在の男子トイレの様子

さらに、教育現場では一方向的な授業が中心で、生徒が主体的に学ぶ機会が限られているほか、ジェンダーやカーストに関連した差別的言動や体罰といった問題も報告されています。

安全でインクルーシブな学校づくりをハード・ソフト両面から

本事業では、こうした課題に対し、ハードとソフトの両面から教育環境の改善に取り組みます。

まずハード面では、地震や洪水に強い構造を備えた安全な校舎を建設するとともに、トイレや手洗い場を整備します。トイレについては、車椅子の子どもでも使えるスロープを備えるほか、思春期の女の子に配慮し、使用済み生理用品を処理できるトイレ用の焼却炉も設置します。これにより、すべての子どもたちが安心して通い、学ぶことができる学校環境を整えます。

以前建設した校舎の様子

一方、ソフト面では、教師を対象にした研修を通じて、子ども中心の参加型授業(Child-Centered Active Teaching and Learning)の導入を進めます。生徒が自ら考え、発言し、対話する学びを促進することで、学力の向上はもとより、子どもたちどうしが相互に理解し合う環境をつくります。研修では、ジェンダーやカーストによる差別や暴力の防止、災害対応についても扱い、総合的にインクルーシブな教室づくりを目指します。

以前行った教員向け研修の様子

また、学校の運営を担う学校運営委員会やPTAにも、社会的に弱いグループの人々に参加してもらいます。組織の運営に関する研修も行い、地域の多様な声を学校運営に反映させることで、より開かれた学校づくりを進めます。

さらに、子どもたちや保護者、学校運営委員会などに対し、災害対応に関する研修や避難訓練も実施します。学校単位で安全計画を策定し、日常から災害に備えることで、子どもたちの命と学びを守る体制を整えていきます。

すべての子どもが学べる学校へ

本事業を通じて、出自や性別、宗教などに関わらず、すべての子どもが安心して学校に通い、質の高い教育を受けられる環境づくりを進めます。また、学校・地域・行政が連携しながら、子どもにやさしい学校を継続的に運営できる仕組みづくりにも取り組みます。

チャイルド・ファンド・ジャパンは、教育環境の整備と人材育成の両面から支援を行うことで、子どもたち一人ひとりが自分らしく学び、成長できる社会の実現を目指していきます。