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子どもたちの健康な成長を支える栄養改善プログラム

スリランカでチャイルド・ファンドの支援を受ける乳幼児期のチャイルドにとって、栄養不足は大きな課題となっています。経済的に厳しい生活を送っている家庭では、多様な食材を買うことができません。また、調理に関する母親の知識や技術が不足していると、子どもが好む味の料理が出されず、子どもたちが積極的に食事をとらなかったりすることもあります。健康に成長するために必要となる栄養を家庭での食事から得られずに、栄養不良に陥ってしまうチャイルドも少なくありません。

そのため、スリランカのスポンサーシップ・プログラムでは、0歳から5歳の子どもたちの親を対象として、栄養改善のためのプログラムを実施しています。今回、スリランカのティー・プランテーション・エリアで、プログラムに参加した母親の一人から話を聞くことができました。


自宅で出迎えてくれたチャイルドのディバカランと母親のヨーギニさん

ヨーギニさんは、二人の男の子を持つ母親です。紅茶農園に暮らすほとんどの女性と同じく、ヨーギニさんも茶摘みの仕事をしています。教育を満足に受けられず、15歳の時から働き始め、それ以来ずっとこの仕事を続けています。

自宅を訪問すると、スポンサーシップ・プログラムの支援を受ける長男のディバカランと一緒に出迎えてくれました。ディバカランは、塗り絵とクリケットが好きな4歳の男の子です。初めは恥ずかしそうにしていましたが、話を聞いている間、ヨーギニさんが腰かけるベッドの上をしきりに動き回っている姿からは、普段の活発さがうかがえました。


「こうやって打つんだよ」と、クリケットをやって見せてくれました

まずヨーギニさんは、センターが実施する、栄養の重要性を学ぶセッションに参加しました。その後、より実践的な10日間のプログラムで、身近で手に入る栄養豊富な食材の知識や栄養バランスのとれた食事づくりを学びました。

「プログラムでは栄養について多くのことを学ぶことができ、とても感謝しています。教えてもらったことは、普段の食事づくりにできるだけ活かすようにしています」。より多くの栄養がとれるように、主食となるご飯やロティ(小麦粉と水と塩を混ぜて平たく焼いたもの)に、玉ねぎやニンジン、菜っ葉などを混ぜるという工夫を一番よく実践しているそうです。

「親たちが10日間のプログラムを受けている間、子どもたちは栄養バランスのとれたおいしい昼食が提供されました。ディバカランがそこで食べたメニューを気に入り、食べたいとねだるので、家でもつくるようになりました。プログラムで習った食事を出すと、ディバカランもたくさん食べてくれます」と、ヨーギニさんは嬉しそうに話します。




子どもたちのために、これからも色々なことを学びたいというヨーギニさん。話を聞かせてくれた短い間にも、子どもを想う母親の気持ちが強く伝わってきました。