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病気を乗り越え、夢に向かって進むジャンパウルのストーリー


ハイスクールの卒業式で、卒業証書を手にするジャンパウル

フィリピンに暮らすジャンパウルは、7人きょうだいの末っ子として生まれました。父親の収入は少なく、家族は貧しい生活を強いられていました。ある時、ジャンパウルは慢性中耳炎にかかってしまいます。ひどくなると、鼓膜に穴が開いたり、難聴につながったりすることもある病気です。ジャンパウルの治療費をまかなうため、家族はそれまで以上に厳しい生活を送ることになりました。

7歳のころ、ジャンパウルはスポンサーシップ・プログラムの支援を受ける「チャイルド」となりました。学用品の支援を受け、ジャンパウルは学校に通い続けることができるようになりました。また、チャイルド・ファンド・ジャパンが協働して支援を行う、地域の「協力センター」のスタッフが、定期的な通院や検査を手助けし、精神的なケアを行い、ジャンパウルを支えました。

スポンサーシップ・プログラムの支援を通して、生きていくうえで大切なことをたくさん学んだとジャンパウルは話します。「困難に立ち向かう強さと勇敢さを身につけることができました。自分は完ぺきではありませんが、そんな自分に自信を持つことや、自分自身をさらに高めていくことを学びました」。心も体も成長した今の自分があるのは、スポンサーシップ・プログラムと日本から支援してくれたスポンサーさんのおかげだと感謝しています。


支援を受けていた9年生のころの写真です

ジャンパウルが暮らす地域は、自分たちの力で子どもたちの教育や人々の生活を支えていけるようになり、2017年にチャイルド・ファンド・ジャパンの支援を離れました。当時ハイスクール生だったジャンパウルは、治療を受けながら勉強を続け、優秀な成績でハイスクールを卒業しました。

「以前は、病気のせいで、自分の将来は閉ざされてしまったと思っていました。でも、スポンサーシップ・プログラムの支援と、センターのスタッフや同じチャイルドたちからの支えがあって、乗り越えることができました。支援のおかげで治療を続け、鼓膜の手術を受けることもできました。病気もよくなり、今はどんなこともできるような気がしています」と、ジャンパウルは話します。

現在は大学に通い、医者になるという目標を持って勉強に励んでいます。「ぼくを支えてくれたスポンサーさんへ直接恩返しをすることはできませんが、代わりに自分の周りにいる困っている人たちを助けたいと思い、医者になろうと決めました。地域の人たち、特に、先住民のコミュニティに貢献したいと思っています。スポンサーシップ・プログラムを通して学んだことは、自分の基礎になっています。チャイルド・ファンド・ジャパンの『チャイルド』であることは、これからも自分のアイデンティティの一部です」。

スタッフのきめ細やかな支援によって、ジャンパウルは困難を乗り越え、夢に向かって力強く進む青年になりました。スポンサーシップ・プログラムは、子どもたち自身が自分の持つ可能性に気付き、明るい未来を切り開いていく力を身につけることを大切にしています。