チャイルド・ファンド・ジャパン

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少数民族などの子どもの未来を開く 子どもにやさしい学校づくりプロジェクト 第3期 

チャイルド・ファンド・ジャパンは、日本NGO連携無償資金協力と皆様からのご支援で、ネパールのゴルカ郡にて「子どもにやさしい学校づくりプロジェクト」を行っています。2022年に始まったこのプロジェクトですが、今年3月末に、第3期目が開始しました。 

第2期で建設した校舎

本プロジェクトの事業地であるネパールのゴルカ郡には、ダリット(ネパールに存在するカースト制度に属さない、不可触民とされる人々)や、少数民族が多く住んでいます。彼らは、長い間、社会的に不利な立場に置かれており、貧困に苛まれ、教育を十分に受けられない状況にありました。そうした状況を改善していくため、チャイルド・ファンド・ジャパンは、2022年から教育面からのアプローチを軸としたプロジェクトを行ってきました。第3期では、ゴルカ郡の中でも、第1期、第2期とは異なる地域を対象として、子どもにやさしい学校づくりを目指していきます。 

今回、活動地となる村は、ゴルカ郡の中でも、中心部から離れていて、地理的な側面などから、国際的な支援が入りづらい場所です。多くの人が農業で生計を立てていますが、気候の影響から安定した収入を得ることが難しいことが課題としてあります。そのため、初等教育を終えた子どもが、継続して教育を受けることが困難であり、若くして結婚する(法律上は20歳以上で結婚ができるが、約38%の女の子が18歳未満で結婚している)、児童労働させられるといったケースが多く見られます。また、ネパールで古くから残るカースト制度や、女の子に教育を受けさせる必要性がないといった風潮も、子どもたちが中等教育(13歳~16歳)を受けられない背景の一つとして挙げられます。

 

今期の支援対象となる学校の現在の校舎

本プロジェクトでは、第1期、第2期において、こうした子どもたちがしっかりと教育を受けられるよう、教員や保護者への研修などのソフト面と、学校建設などのハード面から事業を行ってきています。 特にソフト面では、事業終了後も地元住民の力によって継続して「子どもにやさしい学校づくり」が進められるよう、 自治体との連携を重視しています。事業の説明会の開催、自治体職員との共同モニタリング調査などを通して、自治体の参加を促してきました。 

第3期においても、こうしたソフト面とハード面での支援をあわせて行っていきます。具体的な支援活動としては、学校の先生に対する「子ども中心の学習法」の研修や、専門家を招いた「ジェンダーへの配慮を取り入れた指導」の研修、これまでの取り組みでも有効性の高かった「学習補助教材の制作ワークショップ」などを行っていきます。 

第2期に行った教材ワークショップの様子

また、学校だけではなく、保護者に対しても働きかけを行っていきます。保護者会を開催し、教育の重要性や子どもの権利に関する理解を深めるとともに、月経に関する研修なども行っていきます。こうした支援を通して、親の子どもに対する意識を変え、子どもたちが学校に通い続けることができる環境を家庭からもつくっていきます。 

さらに、ハード面の支援として、子どもたちが安心・安全な環境で教育を受けられるように、学校の校舎や周辺施設の建設を行います。 

支援地域では、2015年に発生した大地震で、実に9,000人近くの人々が犠牲となりました。地震の多いネパールにおいて、耐震性の高い校舎の建設が極めて重要です。今期も、 子どもたちが安全な場所で教育を受けられるよう、中等学校1校を対象に、耐震性の高い校舎を建設していく予定です。さらに、ジェンダーや障がい者に配慮したトイレや、手洗い場も導入する予定で、すべての子どもたちに安心かつ安全な学校づくりを目指していきます。 

第2期でつくった手洗い場

上記の活動のほかにも、避難訓練の実施や、子どもが主体となって学校が運営されるようにするための児童クラブ(日本の生徒会のような組織)の活動の促進を進め、「子どもにやさしい学校づくり」を目指していきます。第1期、2期の成果や経験を活かし、第3期もすべての子どもたちが平等に、安心して教育が受けられる環境をつくるよう事業を進めていきます。 

子どもにやさしい学校をつくり、子どもたちの学習環境を整えるために、このプロジェクトにご協力くださいますよう、心よりお願い申しあげます。

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子どもにやさしい学校づくりプロジェクト

事業概要 このプロジェクトは、ゴルカ郡のダリットや少数民族、先住民族など、社会的に不利な立場の人たちが多く住む地域において、手洗い場やトイレを備えた校舎1棟を建設し、子どもの学習環境を整備します。また、4校において教職員への能力向上研修を行い、保護者や自治体への働きかけも行うことで、地域一体で子どもにやさしい学校を目指します。
支援対象 ネパール ゴルカ郡における公立校(小学校・中学校)4校に通う生徒、教員、学校運営員会、PTAのメンバー
協力団体 UNG(Unification Nepal Gorkha:ゴルカ郡で教育支援や衛生事業を行う現地NGO)
助成 日本NGO連携無償資金協力