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長期化するフィリピンの新型コロナウイルスの影響と支援活動

チャイルド・ファンド・ジャパンの支援するフィリピンでは、依然として1日あたり5,000人前後の新型コロナウイルスの新規感染が続いています。ワクチンの接種は始まっていますが、副作用を心配する人が多く、進捗は思わしくありません。

子どもたちの教育についても、深刻な状態が続いています。昨年3月から続く対面授業の休止は今も続いており、1年以上に及んでいます。子どもたちは学校から配布された課題を家庭で一生懸命こなしていますが、保護者が十分な教育を受けていない場合も少なくないため、家庭学習にも限界があります。実際に保護者からも、「課題の内容が分からず、教えられない」という声が聞こえてきています。

学校の課題に取り組む子ども

長期化する新型コロナウイルスの影響に対して、チャイルド・ファンド・ジャパンでは、子どもたちや保護者への支援を続けています。

子どもたちの教育については、例えば、 保護者を集めて家庭学習課題のサポートを行い、保護者が子どもたちの学習を見ることができるよう支援を行っています。保護者の学力水準によってクラス分けし、それぞれに合わせたサポートを行っています。

ワクチン接種に関連する支援も進めています。 地域の保護者らを集め、ワクチンの効果や接種することの重要性を伝える研修を行いました。研修の後には、多くの参加者がワクチンを接種しようと思うと答えています。

ワクチンについての学習会に参加する保護者たち

感染予防対策も引き続き継続しています。マスクやアルコール消毒液などを配布するとともに、学校への手洗い場の設置なども行っています。マスクについては、繰り返し使える布マスクを配布していますが、栄養不良の子どもや喘息をわずらっている子どもに対しては不織布マスクを配布するといったように、それぞれの子どもにあった支援を行っています。

マスクや消毒液などを受け取る子どもたち

学校に完成した手洗い場で、しっかりと手洗いをする保護者たち

通常の支援活動も、政府による行動制限や感染予防に気をつけながら、実施しています。下の写真は、防災の研修を行ったときの様子です。フィリピンでは、毎年多くの台風が発生し、大きな被害をもたらします。また、火山も多く、今年7月にも、マニラ近郊のタール火山が小規模な噴火を起こし、住民が避難する事態となりました。フィリピンにおいて、自然災害への備えはきわめて重要な課題です。

防災・減災に関する法律について学習するセッション

変異株の感染が世界中で広がる中、感染予防対策や情報提供、子どもたちの教育支援は引き続き重要となっています。チャイルド・ファンド・ジャパンでは、これからも、子どもたちと家族を守る活動を行っていきます。