【ウクライナ緊急支援】地雷から身を守るための支援、女性の衛生・尊厳を守る支援などを行っています
2022年の戦闘開始から3年半が経過したウクライナでの人道危機。9月7日には、ウクライナ全土で戦争開始以来最大規模の空爆があり、首都キーウを含む各地で数十棟の建物が焼失、乳児を含む少なくとも4人が命を落としました。残念なことに、人道支援団体の職員も犠牲となっています。

チャイルド・ファンドは、いまだ続く深刻な人道危機に対し、首都キーウ、ハルキウなどで支援を続けています。これまでの活動を引き続き進めるとともに、現在は以下のような点にも力を入れています。
地雷のリスクを軽減する支援
現在、ウクライナは世界で最も地雷の汚染が深刻な国の一つとされており、国土の30%以上が地雷や不発弾などの爆発物で汚染されている可能性があります。人々の日常生活と安全が脅かされていると同時に、人道支援を困難なものとしています。

この現状を踏まえて、学校や地域で、地雷のリスクに関する教育を実施し、カードやストーリー教材を使った学習を通して、安全な行動の仕方が身につけられるよう支援します。また、現地の先生を研修講師として養成するとともに、学校のカリキュラムにも統合していくことで、地域社会に根付いた持続的な安全教育が可能となるようにしています。
女性の尊厳を守る支援
攻撃によって水道網や医療施設の衛生設備が大きく破壊され、多くの家庭が清潔な水を得られず、感染症のリスクにさらされています。チャイルド・ファンドは、女性や高齢者、障がいのある人々に配慮した衛生キットを配布し、月経衛生に関する啓発も行っています。
また、女性と女の子が置かれている現状を把握するため、実態調査を実施しました。この調査では、戦争下での水や衛生へのアクセスの困難が、女性の尊厳や健康、教育や将来の機会にまで影響していることが明らかになっています。チャイルド・ファンドは、この結果を現場の活動に反映させるとともに、国際社会にも共有し、より包括的で持続可能な人道支援を推進しています。
このほかにも、教育と子どもの保護の分野では、子どもたちが安心して過ごせる「子どもに優しい居場所」を設け、遊びや学びを通して心のケアを行います。さらに、厳しい冬を乗り越えるための防寒具や暖房用燃料の配布、被害を受けた住宅や公共施設の修繕など、生活の基盤を守る活動も続けていきます。

攻撃が続く中でも懸命に日常を守ろうとする子どもたちや家族がいます。その人々を守るため、チャイルド・ファンドは今後も柔軟で包括的な支援を続けます。