チャイルド・ファンド・ジャパン

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子どもによる、子どものための、「子どもの権利プロジェクト」

フィリピンでは、2014年度から「みんなで守る子どもの権利プロジェクト」を実施しています。貧しい地域の家庭で生活する子どもたちは、家庭内暴力や学校でのいじめや体罰といった問題に直面しています。また、都会に近いスラムでは、麻薬や犯罪などに巻き込まれるリスクもあります。こうした環境に対して、子どもたち自身が地域社会、家庭、学校に働きかけ、地域での生活環境や学校での学習環境をより良いものに変えて行こうとするのが、「みんなで守る子どもの権利プロジェクト」です。

このプロジェクトでは、子どもの権利を推進するための取り組みを、各協力センターの子ども組織のメンバーが話し合って計画し、実施しています。それぞれのセンターで、子どもたちの創意工夫の結晶である様々な活動が展開されます。

今回は、特に子ども組織が活発なセンター35の活動をご紹介します。センター35の子ども組織「カノッサ・チルドレン・アンド・ユース・オーガニゼーション(CCYO)」は、プロジェクトの中で学んだことを形にし、さらにそれを活用して積極的な啓発活動をおこなっています。

リーフレットの作成
CCYOは子どもの権利を推進するために、リーフレットを作成することを決めました。まず、作り方を学ぶことから始めようと、効果的なチラシの作成方法についてのセミナーに28人のチャイルドたちが参加しました。その結果、カラフルでかわいらしいイラストが目を引く、読みやすいリーフレットが出来上がりました。


セミナーで、リーフレットの作り方を真剣に学ぶ様子

リーフレットを手に、地域で啓発活動!
CCYOのメンバーたちは、近隣の地域やハイスクールに出向き、300人以上もの子どもたちにリーフレットを配布して子どもの権利についてのセッションを実施しました。セッションでは、子どもの権利の4つの柱である「生きる権利」、「育つ権利」、「守られる権利」、「参加する権利」が理解しやすいと好評だったようです。他にも、センターの活動地域の村長や保護者など多くの人々にリーフレットを配り、子どもの権利の啓発活動を行っています。


A4を三つ折りにしたリーフレットの中面に、子どもの権利の説明が書かれています

さらに、子どもの権利への理解を促進する活動の一つとして、CCYOはニュースレターの発行を始めました。センターでの活動の報告や、センター主催のスポーツ大会の様子を記事にしたスポーツニュース、社説、パズルなど、本物の新聞さながらの内容です。これからも定期的な発行が予定されており、チャイルドたちが、子どもの権利や子どもをとりまくニュースについて考え、自分たちの意見を発信していくよい場となりそうです。


ニュースレターとリーフレットの表紙

持続的な支援へ
「みんなで守る子どもの権利プロジェクト」は、チャイルドたちが権利について学び理解を深めるだけのものではありません。チャイルドたち自身が行動を起こし、学んだことを周囲の人たちに伝え、地域の人の意識を変えていこうとしています。こうして子どもの権利に対する意識が地域に根づくことで、地域全体で子どもが守られる環境が持続的に作られていきます。支援のインパクトが子どもたちの手によって広がっていくことは嬉しく、また、楽しみながらも真剣に活動に打ち込んでいるCCYOのメンバーを頼もしく感じます。

みんなで守る子どもの権利プロジェクトへのご協力をお願いいたします。

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