チャイルド・ファンド・ジャパン

緊急支援

【ウクライナ緊急支援】モルドバで国外避難民への支援を開始しました [4月21日更新]

ウクライナでは、収束の見えない戦禍のなか、多くの市民が住む場所を追われ、国連によれば国内で650万人の人が避難しているとされています。

チャイルド・ファンドでは、チャイルド・ファンド・ドイツが中心となり、今回の危機に対して、食糧や医薬品の支援、子どもたちへの心のケアを行ってきています。チャイルド・ファンド・ドイツは、長年にわたり、現地ウクライナの協力団体とともに、ウクライナ国内の子どもたちを支援してきており、その経緯をふまえ、今回の危機においても、主に国内で避難する子どもたちとその家族へ支援を届けています。

一方、国外に避難する人々の数も、増え続けています。その数は350万人以上とされています。

こうした状況に対し、チャイルド・ファンドは、アライアンスのメンバー団体であるイタリアのWeWorldが中心となり、モルドバにおける避難民の支援を開始しました。国内での支援と同様、食糧や衛生用品、医薬品などの物資の提供を子どもたちとその家族に届けていきます。

また、子どもたちや女性の保護にも力を入れていきます。

ウクライナでは、現在、18~60歳の男性は国外へ避難することができません。そのため、モルドバへ避難する人々も、その多くが子どもと女性です。男性の家族と離れ離れになり、女性と子どもだけで避難を行うことは、暴力を受けるなどのリスクにつながります。また、母親だけでの子どもたちのケアは、母親への大きな負担ともなっています。

さらに、約2%の子どもたちは両親と離れ離れになってしまっていると言われ、暴力や人身売買などのリスクも高まっています。子どもたちや家族の保護が重要な課題となっているのです。

避難所で活動を行うWeWorldのスタッフたち

[4月21日追記]
モルドバのいくつかの地域において、WeWorldと現地協力団体は、「チャイルド・フレンドリー・スペース」(子どもたちが自由に遊んだり活動したりできる場所)をつくり、子どもたちの心のケアにも重点を置いています。

左下の写真に写るお母さんと3歳の女の子は、ウクライナ南部から避難し、モルドバで避難民として生活しています。もともと夏のキャンプ場として親しまれていた場所が、現在は避難民の受け入れ場所として使われています。そこでもチャイルド・フレンドリー・スペースを設置し、23人の子どもを含む73人の避難民を受け入れています。

現地団体の協力のもと、食糧配布も継続的に行っており、週400人ほどの子どもたちに配布しています。また、助けを必要とするより多くの家族に行き渡るよう、毎週水曜日と金曜日にそれぞれ異なる場所で配布しており、4月9日時点で約2,400の家族が食糧を受け取りました。

2歳から12歳の子どもに対しては、食糧とともに鉛筆などの学用品も封入して配布しており、さらに、配布の際には子どもたちの心理的な状態や心のSOSを見逃さないようにし、子どもの保護の活動としての側面も大事にしています。
[追記ここまで]

チャイルド・ファンドでは、緊迫が続くこの状況において、ウクライナ国内・国外での子どもたちと家族への支援を続けてまいります。引き続き皆さまのご支援を、心よりお願い申しあげます。

*チャイルド・ファンド・ジャパンは「認定NPO法人」として認定されており、寄付金控除が可能です。